「登山は健康にいいはずなのに、なぜか膝や足が痛くなる」
これは登山者の方から非常によく聞く声です。
年齢のせい、筋力不足、登山靴が悪い。
そう思われがちですが、実際の臨床では原因はもっと別のところにあることがほとんどです。
登山は平地歩行とはまったく違い、
特に下りでは下半身に大きなブレーキ負荷がかかります。
この時、身体の連動が崩れていると、特定の部位に負担が集中し、痛みとして現れます。
今回は
「整体で改善が期待できる範囲」に絞って、
登山で多い下半身トラブルTOP3と、その本当の原因を解説します。
登山の下半身トラブルは「筋力不足」ではない
多くの方が
「膝が痛い=太ももの筋トレが足りない」
「足裏が痛い=ストレッチ不足」
と考えがちです。
しかし整体の視点では、
問題は**筋力の強さより“使い方”**にあります。
-
股関節がうまく使えていない
-
体幹と脚が連動していない
-
荷重の流れが途中で止まっている
こうした状態で登山を続けると、
本来分散されるはずの負荷が、膝や足裏に集中します。
では具体的に見ていきましょう。
第1位:下山で膝の外側が痛くなる
腸脛靭帯炎(いわゆる登山膝)
症状の特徴
-
登りは平気
-
下山になると膝の外側がズキズキする
-
休むと少し楽になるが、また痛む
このタイプは非常に多く、
「膝が悪い」と思われがちですが、
実際の原因は股関節と骨盤のコントロール不全です。
股関節外側の筋肉(特に大腿筋膜張筋や中殿筋)がうまく働かず、
骨盤が左右にブレたまま下り動作を繰り返すと、
腸脛靭帯が過剰に引っ張られ、膝外側に痛みが出ます。
整体での考え方
-
膝を強く押したり揉んだりしない
-
股関節外側の過緊張を解除
-
骨盤と股関節の連動を回復させる
この調整だけで、
「下山で出ていた膝の痛みが消えた」というケースは少なくありません。
第2位:踵や土踏まずが痛くなる
足底筋膜炎
症状の特徴
-
朝の一歩目が痛い
-
下山後、踵が重だるい
-
インソールを試しても改善しない
足底筋膜炎は足裏のトラブルと思われがちですが、
整体では足だけを見ません。
問題の本質は
-
ふくらはぎの過緊張
-
足首(距骨)の動きの悪さ
-
体幹からの衝撃吸収不足
特に下山では、
体重が踵方向に強く乗るため、
衝撃を逃がせない身体だと足底に負担が集中します。
整体での考え方
-
足裏をゴリゴリしない
-
ふくらはぎを「伸ばす」より「緩める」
-
足首の微調整と荷重ラインの再構築
足底筋膜炎は
「足裏をどうにかする」より
「足裏に負担が来ない体を作る」ことが重要です。
第3位:膝のお皿まわりが痛い
膝蓋大腿関節痛症候群
症状の特徴
-
階段や下山で膝の前が痛い
-
しゃがむと違和感
-
膝トレをすると悪化することがある
この症状は、
膝のお皿(膝蓋骨)の動きと
大腿骨の軌道がズレることで起こります。
原因は
-
太もも前側の過緊張
-
股関節内旋・内転の制御不足
-
骨盤の位置異常
つまり、
膝単体の問題ではありません。
整体での考え方
-
膝蓋骨の可動性を回復
-
太ももの緊張バランスを調整
-
股関節主導の屈伸動作を再学習
「筋トレを頑張ったら痛くなった膝」は、
一度リセットが必要なサインです。
なぜ登山の痛みは「下り」で出やすいのか
下山は
ブレーキをかけ続ける動作です。
本来は
体幹 → 股関節 → 膝 → 足
と衝撃が流れます。
しかし連動が崩れると、
途中で流れが止まり、
膝や足裏が“受け皿”になってしまいます。
整体は
この流れをもう一度つなぎ直す作業です。
放っておくと慢性化しやすい理由
登山の痛みは
「休めば治る」を繰り返しがちです。
しかし
-
使い方の癖
-
荷重の偏り
が変わらないままだと、
痛みは毎回同じ場所に戻ってきます。
早めに整えることで、
登山をやめずに続けることが可能になります。
まとめ
登山で起こる下半身の痛みは
年齢や体力の問題ではありません。
-
膝が痛い → 股関節を見る
-
足裏が痛い → 体幹まで見る
この視点が重要です。
整体は
「痛みを取る」だけでなく
「また登れる身体」を作る選択肢です。


