ダンスやバレエは、芸術であると同時に極めて高度なスポーツです。
柔軟性・筋力・リズム・表現力を同時に求められるため、下半身には想像以上の負荷がかかっています。
整体の現場では、「ケガではないが、踊ると痛い」
「病院では異常なしと言われたが違和感が取れない」
というダンサー特有の悩みを多く見かけます。
今回は、整体で改善が狙える範囲に絞り、
ダンス・バレエで特に多い下半身の疾患TOP3を、
原因 → 身体の連鎖 → 施術の考え方まで含めて解説します。
第1位:足関節インピンジメント(前方・後方)
特徴
-
バレエ・コンテンポラリーに多発
-
ポワント、デミポワントを繰り返す競技特性
主な症状
-
つま先を伸ばすと足首前が詰まる
-
プリエでアキレス腱周囲が痛む
-
捻挫歴はないが慢性的に足首が痛い
なぜ起こるのか(整体的視点)
足関節インピンジメントは、単なる足首の使いすぎではありません。
-
距骨の前後方向への偏位
-
腓骨・脛骨の位置関係の乱れ
-
股関節のターンアウト不足を足首で代償
この結果、関節の中で骨同士がぶつかる状態が慢性化します。
整体でのアプローチ
-
距骨・足根骨のモビライゼーション
-
下腿筋(腓骨筋群・後脛骨筋)のバランス調整
-
股関節外旋と体幹安定性の再教育
👉 足首の痛みほど「足首だけを見ない」ことが改善の近道です。
第2位:股関節インピンジメント(FAI様症状)
特徴
-
バレエ、ジャズ、K-POPダンサーに多い
-
見た目の開脚・ターンアウト重視
主な症状
-
開脚やパッセで股関節前が詰まる
-
鼠径部の違和感
-
足を高く上げると引っかかる感じ
なぜ起こるのか
多くのダンサーは、
-
股関節が開いている「ように見せる」
-
実際には骨盤が前傾・前方移動
という状態になっています。
その結果、
-
腸腰筋・大腿直筋の過緊張
-
股関節前方への圧縮ストレス
が生じ、FAI様症状につながります。
整体でのアプローチ
-
腸腰筋を「緩める」だけでなく再活性
-
内転筋・骨盤底筋との協調性回復
-
胸郭と骨盤の回旋連動の調整
👉 股関節痛の多くは、体幹と呼吸の問題を含んでいます。
第3位:シンスプリント(脛骨内側ストレス症候群)
特徴
-
学生ダンサー・床反力の強いジャンルに多い
-
ジャンプ・着地の繰り返し
主な症状
-
すね内側の鈍い痛み
-
レッスン後や翌朝に悪化
-
押すと痛いが骨折ではない
なぜ起こるのか
-
後脛骨筋の疲労
-
足部アーチ機能低下
-
股関節内旋制御の不足
結果として、脛骨にねじれストレスが集中します。
整体でのアプローチ
-
脛骨の回旋調整
-
足根骨・足部内在筋の機能回復
-
股関節から足部までの荷重再学習
👉 テーピングのみでは再発しやすい代表例です。
ダンサーに共通する身体の特徴
-
柔軟性が高い=安定性が低い
-
腹圧が抜け、下半身に負担集中
-
呼吸が浅く、体幹が機能していない
美しいラインの裏で、関節位置が崩れているケースが非常に多いです。
整体でできること・できないこと
できること
-
関節位置のリセット
-
筋膜ラインの調整
-
動作パターンの再学習
できないこと
-
骨の形状変形そのもの
-
急性骨折・強い炎症期
まとめ
ダンス・バレエによる下半身の痛みは、
「使いすぎ」ではなく「使い方の偏り」が原因であることがほとんどです。
整体では、
-
痛い場所
-
本当に負担をかけている場所
このズレを整えることで、踊りながら改善を目指すことが可能です。


