なぜ数か月も治らない?テニス肘ではない「腕橈骨筋の肘外側痛」の本当の原因

なぜ数か月も治らない?テニス肘ではない「腕橈骨筋の肘外側痛」の本当の原因

 足・歩行・骨盤からつながる“外側ライン”の連鎖

「重い物を持った瞬間、肘の外側が痛くなった」

しかし診断はテニス肘ではない。それなのに数か月たっても痛みが取れない。このようなケースは、実は臨床では珍しくありません。多くの場合、痛みは肘だけの問題ではないからです。

今回の記事では

  • 痛みが起きた本当のメカニズム

  • なぜ数か月治らないのか

  • 足から肘までつながる身体の連鎖

をストーリー形式で解説します。そして最後にこのタイプに最も効果が出やすいセルフケアを紹介します。

痛みの始まり:腕橈骨筋の「静かな疲労」

今回の患者さんの生活動作を聞くと、ある共通点がありました。

長時間

肘を曲げて
手のひらを自分の顔に向ける姿勢

を続けていたのです。

これは

スマホ操作
読書
物を持つ姿勢

などでよく起こる形です。

このとき働く筋肉が

腕橈骨筋

です。

腕橈骨筋は肘を曲げるだけでなく前腕をニュートラルに保つ筋肉でもあります。

つまりこの姿勢では

肘屈曲
+
前腕固定
+
持続把持

という

等尺性収縮

が続きます。

等尺性収縮は筋肉が縮んだまま動かないため血流が悪くなりやすいという特徴があります。

ある日突然起きた痛み

この状態が長く続いたある日、重い物をスマホを持つ姿勢に近い腕の形で持った瞬間、腕橈骨筋付近に鋭い痛みが走りました。

これは

慢性疲労
+
瞬間的な負荷

が重なった典型的なパターンです。筋肉は限界まで疲れていたところに最後の一押しが加わったわけです。

しかし問題はここから

普通なら数週間ほどで痛みは軽減します。しかしこのケースでは数か月たっても痛みが取れない

状態でした。ここで重要なのは「なぜ回復しないのか?」という点です。

身体には「張力ライン」がある

身体はバラバラのパーツではなく筋膜の連鎖でつながっています。

今回のケースでは体の外側を走るラインが強く緊張していました。

足外側
↓
腓骨筋
↓
腸脛靭帯(ITB)
↓
大腿筋膜張筋
↓
体幹外側
↓
前鋸筋
↓
腕橈骨筋

つまり足から腕まで一本のラインでつながっているのです。このラインが硬いと腕橈骨筋にかかる負担がいつまでも減りません。

なぜ外側ラインが固まったのか

身体を観察するといくつかの特徴がありました。

・腸脛靭帯が非常に硬い
・骨盤前傾(反り腰)
・仰向けで寝ると腰がつらい
・無意識に膝を曲げてしまう

さらにレッグエクステンションを多くしているというトレーニング習慣もありました。これらはすべて外側ライン優位の身体に多い特徴です。

外側ライン優位の身体

このタイプでは

外側広筋
大腿筋膜張筋
腸脛靭帯

が強くなりすぎます。その結果、内側ライン、つまり

母趾
内転筋
中殿筋

が弱くなります。

そして問題は「足」に現れる

このタイプの人には足にも特徴があります。多くの場合、母趾を使って歩いていません。

歩行は通常

外側接地
↓
足内側へ移動
↓
母趾で蹴る

という流れですが、このタイプでは

外側接地
↓
外側荷重
↓
小指側離地

になります。いわゆる外側レール歩きです。

足から肘までの連鎖

この歩き方が続くと

外側荷重
↓
腓骨筋過活動
↓
腸脛靭帯緊張
↓
TFL緊張
↓
体幹外側ライン
↓
前鋸筋
↓
腕橈骨筋

という張力が生まれます。つまり腕の痛みの土台は足にある可能性が高いのです。

このタイプの身体サイン

臨床では次の特徴がよく見られます。

・靴の外側だけ減る
・小指側にタコ
・母趾球にタコがない
・太もも外側が硬い
・つま先が外に開く

もし複数当てはまるなら外側ライン優位の可能性が高いです。

改善のカギは「内側ライン」

回復のポイントは、内側ラインを目覚めさせることです。

特に重要なのは

母趾
↓
内転筋
↓
骨盤安定

の連鎖です。

最も効果的なセルフケア

① 片足スクワット(前後スタンス)

このタイプに非常に有効です。

方法

1 足を前後に開く
2 前脚に体重を乗せる
3 片脚スクワットのようにしゃがむ

ポイント

・母趾球に体重
・膝は内側に入れすぎない
・ゆっくり行う

回数
10回 × 2セット

② 母趾荷重トレーニング

立った状態で母趾球に体重を乗せる練習をします。感覚としては「足の内側で床を押す」感じです。

1日1〜2分程度でOK。


③ 腸脛靭帯ストレッチ

外側ラインの緊張を減らします。

方法

1 片脚を後ろへクロス
2 体を横へ倒す
3 太もも外側を伸ばす

20秒 × 3回

④ 前腕リラックスケア

腕橈骨筋のケアも大切です。

方法

・前腕外側を軽くマッサージ
・温める

強く押しすぎないことが重要です。

「いつ治るのか?」という不安

この痛みを持つ人は「もう治らないのでは」と心配になることが多いです。しかし安心してほしいのは

このタイプの痛みは原因が整理できると改善するケースが多いということです。筋肉の慢性疲労は

・負担を減らす
・使い方を変える

ことで回復していきます。焦る必要はありません。

身体はゆっくりでも確実に変わる力を持っています。

まとめ

今回の痛みは単なる肘の問題ではなく

腕橈骨筋疲労
+
外側ライン過活動
+
母趾機能低下

という全身の連鎖で起きていました。改善のポイントは

・母趾を使う
・内側ラインを強くする
・外側ラインを緩める

この3つです。体は一本のつながりです。だからこそ原因が分かると回復の道筋も見えてきます。少しずつ身体を整えていけば痛みは必ず変わっていきます。

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