「足の指の間がズキッと痛む」「歩くと足裏が焼けるように痛い」——
そんな症状がある場合、**モートン神経腫(Morton neuroma)**の可能性があります。
一見「神経の病気」のように聞こえますが、
実際には**神経が“圧迫されやすい足の使い方”**が原因になっているケースがほとんどです。
つまり、注射や手術で一時的に痛みを抑えても、
その**根本原因(姿勢・歩き方・靴選び)**を変えなければ再発しやすいのです。
今回は、整体や運動指導の現場でもよく見られる
「モートン神経腫になる人の共通点3つ」をわかりやすく解説します。
姿勢のクセ:骨盤の前後傾・猫背が足裏バランスを崩す
モートン神経腫は足裏の局所的なトラブルですが、
実はその出発点は「姿勢の歪み」にあります。
特に多いのが、
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骨盤の前傾(反り腰)
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骨盤の後傾(猫背・スウェイバック)
これらの姿勢では、体の重心が本来より前方にずれ、
歩行時に前足部(中足骨頭)への荷重が強くなります。
本来、足のアーチ構造(横アーチと縦アーチ)がクッションの役割を果たすのですが、
重心が前に偏り続けるとアーチが潰れ、
中足骨と中足骨の間で「神経が挟まる」状態になります。
これがモートン神経腫の痛みの原因です。
また、上半身が猫背になると自然につま先重心になり、
指先で地面を「掴む動き」が減っていきます。
すると足指が浮き(浮き指)、アーチはさらに崩れます。
🔎チェックポイント
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立ったとき、つま先に体重がかかっていませんか?
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靴下を履いた状態で、足指を自由に動かせますか?
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長時間立っていると、足の前側が疲れませんか?
もし当てはまる場合、
まずは「姿勢をまっすぐに整える」ことが、足裏の神経保護につながります。
歩き方のクセ:つま先重心・小指側着地・足指の不使用
次に多いのが、歩き方のクセです。
モートン神経腫の人は、足を前に出す際に足指を使わない歩き方になっていることがほとんどです。
特に多いのはこの3パターン👇
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つま先重心歩行(前足部に荷重しすぎ)
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小指側着地(外側重心)
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母趾の蹴り出し不足(足指を使わない)
この歩き方を続けると、
第3〜4中足骨の間にある神経が常に押しつぶされるような状態になります。
特に女性で外反母趾や偏平足がある場合、
親指の機能低下によって中足骨の内外バランスが崩れやすく、
結果的に神経が挟まりやすくなります。
また、ランニングやヒール歩行のように「前足部で衝撃を受ける動き」を繰り返すと、
炎症が悪化しやすいです。
🔎チェックポイント
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靴底の減り方が外側だけ早くないですか?
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歩くとき、親指でしっかり地面を押せていますか?
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足指を“パー”に広げて歩けますか?
このタイプの方は、
まず母趾で地面を押す練習(裸足のつま先押しエクササイズ)や、
片足立ちで足裏の感覚を養う練習を行うことで改善が期待できます。
靴選びのクセ:幅が合わない・柔らかすぎる・ヒール過多
モートン神経腫は、靴選びのミスも大きな原因になります。
特に次のような靴を日常的に履いている方は要注意です👇
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幅が狭く、足指が締め付けられる靴
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底が柔らかすぎて支えがないスニーカー
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ヒールや厚底で前足部に重心がかかる靴
このような靴では、中足骨が押しつぶされて横アーチが崩壊し、
その間を通る神経が慢性的に刺激を受けます。
一方で、「クッション性が高い=良い靴」と思って選ぶ方もいますが、
実際はクッションが強すぎると足の筋肉が働かず、
アーチが支えられなくなってしまいます。
🔎理想的な靴選びのポイント
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指先に5mmほどの余裕があり、足指を動かせる
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中足部(甲のあたり)がしっかり固定できる
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かかとが硬く、左右にぐらつかない
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底は柔らかすぎず、ねじれすぎない
さらに、靴の中で足が滑らないようにインソールで支点を作ると効果的です。
ただし、市販インソールを「入れるだけ」では逆に悪化することもあるため、
専門家に足の形を見てもらうのがおすすめです。
【まとめ】
モートン神経腫は「足の神経が悪い病気」ではなく、
姿勢・歩き方・靴選びの3つが積み重なった結果として現れます。
| 原因 | 問題の起こり方 | 改善のポイント |
|---|---|---|
| 姿勢のクセ | 重心が前に偏り、足裏アーチが潰れる | 骨盤と背骨の位置を整える |
| 歩き方のクセ | 第3〜4中足骨間への荷重集中 | 母趾で地面を押す練習 |
| 靴選びのクセ | 横アーチの崩壊・神経圧迫 | 指が動かせる靴を選ぶ |
足裏の神経を守るには、まず体全体の使い方を変えること。
姿勢・歩行・靴を見直すことで、
手術や注射に頼らずとも痛みを減らせるケースは多くあります。
そして、どんなに良い靴やインソールでも、
「使う人の体のクセ」を直さなければ効果は長続きしません。
足のトラブルは、体全体のサイン。
あなたの姿勢や歩き方を見直すことが、
本当の意味での“足の健康”につながります。
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